R5 設計製図試験 思い出してみた

一級建築士

もうすでに記憶から薄れてきている為、当日の資料やメモなどを参考にR5一級建築士設計製図試験について思い出してみる計画とした。

そして計画の要点記述風な語り口調で書いている為、読者の参考となる部分がひとつでも見つかるよう配慮した。

タイムスケジュール

試験当日、6.5hの内訳は。。。

1.読み取り30m

2.エスキス1h40m 

3.要点記述1h10m

4.作図2h50m

5.見直し20m

周囲の早いペースに乱されないようにする為、自分で決めたタイムスケジュール通りに進むよう配慮した。

補足事項【1】トイレのタイミング

  1. エスキス完了後→トイレ→見直し
  2. 作図完了後→トイレ→見直し

トイレは2回に分けて計画し、エスキス完了時のチェック前と作図完了時のチェック前に行った。チェックして自分の間違いやヌケを見つけるのがヘタクソだった私はトイレは個室に座って「あ、アレ書いてないかも!?」と思い出せるよう、わざと時間をつくる必要があった。

補足事項【2】栄養補給

  • カロリーメイト1箱
  • ウィダーインゼリー3パック
  • クランキーチョコ1袋
  • 水(いろはす)1本
  • スポーツ飲料(アミノサプリ)1本

試験開始前のカロリーメイトを食べながら準備を進めることで緊張を和らげる。
エスキスのチェックを行いながらウィダーインゼリー①を飲む。
要点記述のチェックを行いながらウィダーインゼリー②を飲む。
作図断面図まで書いた段階でウィダーインゼリー③を飲む。
分散補給することでカラダに負担をかけずに一定のパフォーマンスを持続できるよう配慮した。
あえてモグモグしながらチェックする時間をつくることで、ハッと気が付くことが結構あった。

水(いろはす)とアミノサプリを1本ずつ用意して、区切りが良いところで交互に少しずつ補給する。頭を使うと喉が渇いてくる為、水分不足状態を限りなく減らすことで、自身のパフォーマンスを落とさないよう配慮した。

食べたり飲んだり、そんな時間は無い!!と言われそうだが、喉カラカラで休憩もしない6.5hより、何か食べたり飲んだりしながらの6.5hのほうがエスキスも作図もスムーズに進む。
模試や普段の課題で色々な組み合わせを試し自分のベストな飲み物や食べ物を探してほしい。

全体の流れを思い出したことで、当日の細かなことも思い出してきたので追記していくこととする。

読み取り

A2サイズの課題文だったが、空白な部分もあった為、情報量は少し減った印象だった。

ここの30分が大事だぞと言い聞かせ、自分で決めたルールで読み進めていく。

ざっとどこに何が書いてあるかを確認したら

【計画に当たっての留意事項】→防火設備の凡例→Ⅰ設計条件4.留意事項

→Ⅱ要求図書3.計画の要点→2.面積表→Ⅰ設計条件→1.敷地及び周辺状況

→3.その他施設→Ⅱ1.要求図書→Ⅰ2.建築物

という感じでA2用紙をジグザグに読み取りをする。私は課題文を最初から順番通りに読むと効率が悪くなる可能性が高かった。自分に合う読み取り方法を色々試して読み落としや思い込みを少しでも減るよう工夫した。

マーカーは文字をつぶさないようアンダーラインとし、チェックする時にヌケモレしないよう見やすさに配慮した。

  • ピンク   絶対守り・ランクⅣ
  • オレンジ  つながり条件
  • イエロー  作図時に見る内容
  • グリーン  要点記述関連
  • ブルー   管理動線や管理ゾーンの部屋
  • 赤ペン   ○○以上、等ポイントを囲う

マーカーの仕方は資格学校のルールがあるが私には合わなかった為、自分ルールに改良することでエスキスや作図のチェックがやりやすくなるよう考慮した。

赤ペンは一般開架の蔵書数5万冊と書かれている部分に277㎡/180冊、閉架書架9万冊と書かれた部分に225㎡/400冊などボリュームを見える化するメモをした。また乳幼児連れに配慮した室には授乳室幼児用トイレとメモをし、施設運用管理に必要な室には図書作業室とメモをした。

エスキス

敷地図に周辺環境を書込み、まずは外部条件を整理していく。

東側の駐車場から図書館へのアプローチをどうすればよいかわからなかったが、まずは道路の広い西側に利用者の動線を計画。駅からの動線と横断歩道が書いてあったので、シンプルに北側を駐車場、南側を駐輪場で仮置きする。建蔽率と容積率が大枠入っているのを確認しつつ、建物の高さ制限のチェックしていく。高さ制限があるのは一般開架の天井高さ3.7mと図書館の空調(単一ダクト想定)の天井ふところを計算し、階高5mで仮設定する。建物東側に6mの道路斜線と北側斜線を計算し、建てられる高さを確認すると北側斜線にかかる為、仮設定した建物の高さを調整し5・4・4mに修正する。

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建物の大きさがX方向40m、Y方向28mとなり、Y方向はシンプルに7m×4スパン、X方向は7m×4スパン+6m×2スパンの計6スパンにするか8m×5スパンにするか検討した。要求室が100㎡以上、一般開架の高天井が200㎡以上である為、6×4スパンも選択肢には残しつつも5×4スパンで計画した方が楽かもしれないと安易にチビコマをスタートさせる。

北側斜線や道路斜線を考慮すると、コアはY方向の内側に入ったところで検討スタート。北側の公園側に図書室の閲覧席を向け、天空光を確保し公園の眺望に配慮した~的な事が要点記述で書けるなと考え北側2スパンを図書室にするイメージを持つ。

何階にどの部屋を持ってくるかイマイチ決定打が無かった為、最初のプランは下記の通り↓↓↓

3階・・・自習室、ワークルーム、閉架書架

2階・・・一般開架

1階・・・カフェ、児童開架、企画展示スペース、セミナールーム、荷解き配本スペース

何となく利用者ゾーンは西側と北側あたりで計画、管理ゾーンは東側あたりで計画するのが見えてくる。1階が窮屈で3階に余裕がある為、何かを3階へ上げようと考える。課題文の設計条件に“地域住民の文化活動の拠点とする”とあったので企画展示スペースとセミナールームは1階に残し、児童開架を3階へ上げる計画へ変更する。↓↓↓

3階・・・児童開架、ワークルーム、閉架書架

2階・・・一般開架、自習室

1階・・・カフェ、企画展示スペース、セミナールーム、荷解き配本スペース

ここで課題文の設計条件の“蔵書の管理・保存に配慮する”とあり、一般開架→サービスカウンター→図書作業室→閉架書架が同じフロアにあると要点記述で書架の管理動線に配慮した~的な事が書けるなと考え更に微調整↓↓↓

3階・・・児童開架、自習室、ワークルーム

2階・・・一般開架、閉架書架

1階・・・カフェ、企画展示スペース、セミナールーム、荷解き配本スペース

このチビコマが固まってきたあたりで、オレンジマーカーのつながり条件をチェックする。

  • セミナールームは移動間仕切りで2室に分割→OK
  • 配本車の駐車スペースと企画展示スペースの搬出入→OK
  • 児童開架のお話コーナー上足利用→OK

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倍コマで必要面積が足りているか確認しながら上下のバランスを整えていく。

  • 一般開架は面積が足りなかった為、1階に一部一般開架をつくる(計600㎡以上)
  • 管理コアが南側のほうが動線がスムーズの為、事務所と入れ替える
  • 1階エントランスホール、2、3階ホールは大きくとれる為、吹抜けがつくれる

事務所は管理ゾーンを背負って利用者側に向くことができたので、施設全体を見渡せる~的な事が書けるなと思い切って管理コアと入れ替え。屋上に太陽光パネルを設置だが、面積指定はないから塔屋1/8を超えない設定とした。2、3階も事務所と同位置にサービスカウンターを設置することで各階まとまった。ピンクマーカーで中間チェック

  • 建蔽率80%
  • 容積率300%
  • 高さ制限(道路高さ制限、北側斜線)
  • 高天井面積、一般開架面積、児童開架面積、閉架書架面積
  • 多世代の利用や多様性の尊重・交流
  • 事務所空間は自然採光を活用
  • 蔵書の管理・保存に配慮

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1/400エスキスに入っていく。倍コマでかなり整ったので作図前の確認として念のため書いておいた。やはり気になるのは東側駐車場からのアプローチ。色々迷って北側公園側からも建物にアプローチできるようにして、あくまでサブ入口として計画した。敷地内の駐車場、駐輪場は歩車分離に注意しランクⅣとならないよう配慮した。また駐車場から主出入口までは最短ルートとなるようにし通路幅も2.5m確保することでユニバーサルデザインに配慮した。

手元の時計で13:06。。。2時間後には要点記述に行く約束、まだエスキスいじくりたい気持ちだが要点記述に進むため、ここで一旦トイレ休憩に行く。

周囲の人で早い人は私がエスキス終わる前に要点記述を書き進めていたり、作図の補助線引いてる人がいたりした。

エスキスがまとまらないのはいつも通り、とにかく自分で決めたタイムスケジュールから遅れないようにだけ気を付けて、時計を確認しながら進める。

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要点記述

課題文読み取り時点でかなり苦戦しそうな予想はしていた。。。

私の要点記述の攻略法は全体を一度読んでから、書きやすいところから進めていくという方法をとっていた。これはペンを止めない為に自分で考えた方法だったが、R5図書館の課題は過去問のテンプレートが使える場所はほとんどなく書きやすいところはなかった。。。

もう一度よく見ると、(3)の空調は書けるかも。。。そんな感じで書き始めると、そこからは少し勢いが出せたと思う。図書館で面積も大きく高天井もあることから吹き出し能力の高い単一ダクトを選択。書籍の劣化防止できるようきめ細やかな温度管理を行う~とか、風量風速を調整し静かな閲覧席となるように~など解ってるアピールする計画とした。

続いて(4)の屋上設備関係も空調を書いた続きで丁度よかった。ハト小屋についても独学パスポートの課題でやっていたので大丈夫。平面と断面で補足した。ただ塔屋と屋上設備で建築面積の1/8にしないとマズいと思い、めちゃくちゃ小さい屋上設備スペースの絵を書いた。

(5)はLED照明の記述は除くとあったがタスクアンビエント照明について書いた。かなりアウトよりのグレーだと思ったがもう書くしかなかった。。。このあたりから行を埋めるのもしんどくなってくる。

(6)は断熱材の事を書き、外皮性能を高め空調負荷を~と書くも2行空きが発生。。。しかも施工方法においての二酸化炭素量削減に関しては何も触れることはなかった。。。減点覚悟だった。。。

(7)閉架書架は蔵書数が多くなる為、荷重を安全に指示できるように~など説明し、図面に出てこない小梁の間隔やスラブの厚み200mmの事を書き不整合とならないよう考慮した。

(1)①は設定天井高さと蔵書数確保の書架の高さとの関係について書いた。ユニバーサルデザインについては見学に行った図書館を思い出しながら、車椅子やベビーカーのすれ違いを考慮した書架の間隔などについて書いた。②は北側の公園と天空光を取り込む事を書き解ってますアピールする計画とした。

(2)①多世代の交流については1階に一般開架と企画展示スペースをつくって交流しやすくした~のような具体的な内容が薄い状態だったが、これで言い切るしかなかった。。。②運営管理はエスキスである程度出来上がっていたから書きやすかった。過去問に書いてあるような事務所やサービスカウンターから全体が見渡せる~的な事を書き解ってますアピールをする計画とした。

落ち着いていればもっと書けていたかもしれないが、要点記述の半分くらいまで終わった段階で周囲は作図音が鳴り始め、さすがにこの時はかなり心折られそうになる。。。ここまでで14:10。2本目のウィダーインゼリーを飲みながら自分のプランと要点記述の不整合がないか確認をした。

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作図

作図スタート。まわりの早い人は3平面終わっている人がいた。。。すごいね。。。

でもまだ間に合うから大丈夫。深呼吸して平行定規をセット。(私は平行定規を使うのは作図の補助線から断面の線を書くまで。)補助線を引き、柱を書いていく。昔は苦手だったテンプレートも今はそれなりにカカカカッとスムーズに書けてる。寸法→壁・窓・開口部→コア→トイレ→順調に書き進めていくが吹抜けを計画していたところを急に塞ぎたくなる。。。

断面まで進み最初は3層吹抜けで上部トップライトにしていたが、最後にスラブを書き足し塞いでしまった。。。〇特ヌケで一発アウトするかもしれないから。。。と今までで一番消極的な図面となっていった。

断面まで書き終わったので3本目のウィダーインゼリーを飲みながら製図用紙を平行定規から剥がす。ここからは寸法・文字を3平面+断面に一気に書いていく。部屋名も続けて書き文字タイムが終了。

外構から法規へ進んでいく。外構で悩んだのはサービス駐車を書いていいのか、書かない方がいいのか、書いては消し、消しては書いてを繰り返し、最終的には消した。。。他にも同じように書いては消してを繰り返したものがあったと思う。。。何かは忘れた。

吹抜けを中止したおかげで法規は書く内容が大幅に減って時短できた。とにかく一発アウトだけを防ぐためにかなり注意して進める。たとえば階段・エレベーターは利用者1階から3階まで順番に書く、続けて管理~のように自分が建物の中を移動しているイメージで書くことで書き忘れる事をなくすよう工夫した。延焼ラインにかかる防火設備も課題文におりかえし忘れないように注意喚起した。

什器は書架を蔵書数分あるかはチェックされそうだなと思いなるべく面積確保できるようにレイアウト。要点記述ともリンクできるよう北側に閲覧席を設定し豊かな読書空間をつくる。あとはトイレレイアウトのみ書き、閉架書架などは特に何も書かなかった。

R4事務所ビルの時は補足を書き込めなかったので、R5図書館ではなるべく補足を書こうと決めてた。

  • 北側の公園の景観に配慮した閲覧席
  • 歩車分離に配慮した駐輪場
  • 地域住民と多世代交流しやすくする為のラウンジ
  • 事務所から全体が見渡せる
  • サービスカウンターから全体が見渡せる

作図終了が17:10だった為このままチェックに行こうかとも思ったが、トイレ休憩をして一呼吸置くことにした。

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見直し

トイレから戻りチェックをする。今まではできていない事を探して書込みしたりしていたが、この日は一発アウトを避ける事だけに専念していた為、什器や減点の少なそうな項目はある程度無視することとした。何度も防火設備や避難経路を確認し今までにランクⅣになった項目をひとつひとつ確認していく。

  • 多世代の交流(要点記述との整合性)
  • 読書空間の自然採光(要点記述との整合性)
  • 蔵書の管理(要点記述との整合性)
  • 第二種中高層(北斜)
  • 建蔽率
  • ユニバーサルデザイン
  • 一般開架600㎡以上
  • 一般開架200㎡以上高天井3.7m
  • 児童開架300㎡以上
  • 閉架書架150㎡以上
  • ブックポスト
  • 乳幼児に配慮した室
  • 屋上キュービクル・太陽光パネル(要点記述との整合性)
  • 塔屋の位置(要点記述と道路斜線との整合性)
  • 道路斜線・斜線勾配・計算式・最小後退距離
  • 車椅子駐車場2台
  • 駐輪場20台
  • 延焼ラインと防火設備
  • 避難経路
  • 断面の切断箇所

試験直後の感想は思ったより図面の密度が高くない。。。要点記述もイマイチ自信なし。。。消極的な図面を書いてしまった感が強く、ランクⅡとかになるかも。。。と思っていた。大きなミスは無かったからランクⅣになる人の数次第では合格できる可能性のある図面になった。

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