受験歴と合格・不合格の違いを分析してみた(製図編)

一級建築士

「製図ってどうやって勉強してたの?」

一級建築士でお世話になった先生方によく聞かれます。。。

大手資格学校で勉強している時は不合格で、独学に切り替えたら合格できた為よく聞かれます。。。

不合格だった時と何が違ったのかを考えてみたいと思います。

※先に言っておきますが、これは大手資格学校を否定したいわけではありません。。。

自分に合った勉強方法はひとそれぞれありますということが伝われば良いなと思います。

受験歴と試験結果まとめ

R4 S学院短期製図コース

ランクⅣ  →  不合格

R5 独学パスポート(独学を支援する個人塾)

ランクⅠ  →  合格

独学にしたほうが受かってる。。。2年目ってのもあるけど何がそんなに違ったの?

私の場合は初受験のR4は今思えば完全に力不足。学科合格からの短期決戦では、受かったとしてもたまたまで何も得るものはなかった。。。

そして資格学校のガチガチに決められた課題の解き方しかできなかった私は、何階建てにしたらよいのかという自由度の高い問題に苦戦し、見事に不合格となったのである。

設計の仕事もしているし学科通過したし、大手資格学校に通えば絶対合格できると考えていたことが甘かったのだ。

学科の時もそうだったが、資格学校の課題だけこなすだけでは合格できる試験じゃなかった事を思い出す。。。

R5は大手資格学校に通う選択肢はなく、独学で勉強して受験するつもりだった。が、R4同じく不合格となった同志が誘ってくれて、独学支援の個人塾へお世話になった。

ここでは試験のルールを徹底的に叩き込まれた。今まで何となくやっていたことが全て意味のあることに変わり大手資格学校では質問してもよくわからなかったことが次々にクリアになった。

ちなみに私は合格できたが同志は不合格になるという残酷な結果となったため、お互い合格するまでは一緒に勉強する決意し今年は授業のアシスタントをやる事になった。

R4 不合格のときの勉強状況

R4は学科合格後、当時一番信用していた大手資格学校Sの短期講座を申し込んだ。

まず講義が長い。。。最初から3回目くらいまでは講義時間が長すぎて体力的にしんどかった。

  1. 朝からは講義と先週の反省点など確認
  2. 当日課題を解く(試験スタイル)
  3. 交換添削を行う
  4. 解答解説
  5. 講師からの添削チェック

一日の講義はこの流れで進んでいき、宿題はその日の課題の再提出と別の課題が与えられ、翌週の講義前に提出する。この流れだと講師の添削は翌週確認することになり、タイムラグが発生する。今思うと当日課題で間違いをしたまま、一週間課題を復習することになる可能性もあるため、これは改善したほうがいい気がする。。。

課題が多いことや、有料講座については私の当時の実力では消化不良を起こし、課題をこなすたびに混乱を招く悪循環となった。またエスキス手順や作図手順などが自分には全く合わず、課題を解く度に自信を失っていく。当然資格学校の課題だけで精一杯のため過去問研究や事務所ビルについての勉強ができていなかった。。。

当時は学校に言われたとおり課題も宿題も毎回提出し、有料講義も全て参加し頑張ったが、ただ課題をこなすだけでは肝心な部分の理解が浅く、試験当日の課題は解けなかった。。。R4は高さと面積を同時に検討するボリュームプランをしなければならなかったが、私は学校のガチガチに固められたエスキス手順でしか課題が解けないようになっていたので、高さが決められずエスキスが全く進められなかったのである。。。

試験が終わり合格発表後、正直の感想は。。。

  • 課題が多くこなすだけで精一杯(かかった時間の割に学習密度が薄い)
  • 連休などを使って有料講座を受講し更に精一杯(復習時間などの圧迫で更に悪循環)
  • 手順がガチガチに決められていてやりにくかった
  • 過去問や事務所ビルについて勉強できていなかった

一応参考までに初年度どのくらい図面を書いたかというと

  • 作図 52枚
  • エスキス 55枚
  • 要点記述 24枚

勉強の仕方や頑張り方を間違えると大変な事になる。。。

R5 合格のときの勉強状況

R5は独学支援の個人塾、独学パスポートの長期講座に申し込んだ。ここでは講義は朝から夕方までと圧縮してあり、講義の内容も自分にはとても合っていた。

  1. 宿題提出したものをリアル採点
  2. 座学
  3. 当日課題エスキス
  4. 自己エスキス発表会
  5. 質疑応答

一日の講義の流れは、まずリアル採点から始まる。宿題をその場で添削してくれて、それを教室内の全員で見ながら意見交換していく。どこをチェックされ、何をすると減点になるのかを毎週やっていく。自分の宿題をチェックされ指摘されるのも勉強になるが、教室内の他の人のプランを見れるのが勉強になった。

当日エスキスは読み取りからエスキス1/400までを行い、各自発表するところまでやる。問題があれば講師や教室内から指摘が入り、解決策を話し合う。このエスキスの発表は自分の考えをまとめたり、教室の他の人の考えを聞けたりできてかなり勉強になったと思う。当日課題の要点記述以降は宿題となり、エスキスは持ち帰って修正した後、作図を行う。

またR5は不合格となった翌月からコツコツ勉強を始め、合格者ができていて、自分ができていなかったことを見つけるため図面や要点記述を見比べたり事務所ビルについて調べたりしながら、何を勉強したら合格できるのか探していた。

1~3月までにやっていたこと

  • ユーザープランニング ランクⅠ図面検証
  • ユーザープランニング ランクⅠ要点記述検証
  • ユーザープランニング ランクⅣ図面検証
  • ユーザープランニング ランクⅣ要点記述検証
  • R4事務所ビル 自己ベストプランの作成
  • R4事務所ビル 自己ベスト記述の作成

3~7月までにやっていたこと

  • 自分に合うエスキス手順をカスタマイズ
  • 自分に合う要点記述をカスタマイズ
  • 自分に合う製図手順・道具をカスタマイズ
  • 自分に合う読み取り方法をカスタマイズ

7~10月までにやっていたこと

  • 図書館の実例見学に行く
  • 図書館の本を読み理解を深める
  • 自分に合う試験時間スケジュールをカスタマイズ
  • 自分に合う図面チェック方法をカスタマイズ
  • SNSで交換添削会に積極的に参加した

一応参考までに2年目はどれくらい図面を書いたかというと

  • 過去問中心 47枚
  • 課題発表後の図書館 37枚

量もこなしているが質がとても上がったと感じる2年目だった。

課題発表前までは初年度おろそかにしていた要点記述を徹底的に書けるように練習したり、製図道具を色々試しながら自分に合うものを絞り込んでいく。エスキスは課題発表後に仕上げる方が効率的なので、おおまかな条件整理とゾーニングまでができるようになっていればOKにする。

課題発表後は課題の建物について自分で調べたり、実物を見に行くことで本試験で何が問われるのかを予想していた。また課題に合うエスキス方法が見えてくるので、本試験直前まで試行錯誤しながら、自分の手順を確立していく。(最初は資格学校の手順でも良いが自分なりのアレンジが絶対に必要)

まとめ

  • ユーザープランニングで自分に不足しているものを探す
  • 不合格になった年の課題をきちんと消化しておく
  • 大手資格学校に頼りすぎると合格は難しい
  • きちんと説明・指導できる講師と出会う事が大事
  • 自分のエスキスを発表する機会をつくり自分のプランの理解度アップ
  • 積極的に交換添削して図面チェック能力アップ
  • 自分に合う手順・道具・方法を本試験まで追求する
  • 実例見学や関連本を読み理解を深める
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